インプラントが不自然にならない対処法とは

インプラント治療では、噛むという機能性の回復はもちろんですが、審美性（見た目の美しさ）も重要視されます。患者さんも「美しい歯」を期待されていると思います。しかし、ごく一部のケースですが、インプラント治療をしたにもかかわらず、不自然な見た目になってしまうこともあるのです。そのようなことにならないために、原因や対象方法について解説していきます。

インプラントが不自然になる2つの原因

インプラントの見た目が不自然になってしまう原因は、大きく分けて2つあります。一つ目は「顎の骨が足りない」場合、もう一つが「精密検査不足」です。どのような内容なのか、詳しく見ていきましょう。

あごの骨が足りない

インプラント治療では、顎の骨にインプラント体を埋入する手術をおこないます。しかし、顎の骨が足りない場合には、十分にインプラント体と骨が結合しない状況になり、インプラントがグラつくなど機能的な問題が発生します。また、審美的な問題も発生する可能性があります。それは、骨の高さが足りないことで、アバットメント（人工歯とインプラント体をつなぐ金属部品）が見えてしまうことです。顎の骨が足りない場合には、事前に顎の骨を増やす処置をする必要があります。

精密検査不足

インプラント手術前の精密検査不足も、インプラントの不自然さの原因となります。精密検査は、上記のように、顎の骨が十分にあるかどうかを確認するためにも重要です。さらに、インプラントをどの位置に、どのような角度で埋入するかを決めるのにも必要なのです。インプラントを埋入する位置がズレてしまえば、歯肉が下がって見えたり、インプラントだけが突出して見えたりなど、不自然な見た目につながってしまいます。

インプラントが不自然にならないための対処法

精密検査でCT検査を行っているか？

現在のインプラント治療では、歯科用CTが活用されています。それは、2次元的な通常のレントゲンよりも、3D画像を見ることが出来て、骨の状態やインプラントの埋入位置を精密に検討できるからです。インプラントメーカーが提供する手術システムでは、CT画像を取り込み、シミュレーションを実施、正確な埋入位置を確保するサージカルガイドを製作することもできます。このサージカルガイドによる手術では、歯肉の切開をしない「フラップレス」でおこなわれるため、身体的な負担も軽減できます。治療前に歯科用CTを撮影するか、確認をしておきましょう。

被せ物を作製する際の色や形は重要

被せ物の色や形、これは手術などの分野ではないですが、非常に見た目を左右する項目です。インプラントの人工歯は、素材もさまざまですし、色調も選ぶことが出来ます。ここで注意したいのは、「真っ白い歯」を不用意に選ばないことです。自分の歯の色調と合わせなければ、インプラントだけ浮いた色になってしまいます。自分の歯の色を考慮して、どのような色が良いか、じっくり検討しましょう。

まとめ

ご紹介してきたように、インプラントが不自然に見える原因には骨の状態や精密検査の実施が関わっています。その対処法としては、治療前によく担当医と話し、不自然にならないように確認することが大切です。

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