歯ぎしりからインプラントを守るナイトガードについて

歯ぎしりは無意識にしていることも多く、家族などに指摘されてはじめて自覚することもあります。が、無意識とはいえ、顎や歯、そしてインプラントにも負担をかけてしまっているケースがあります。インプラントは微妙な噛み合わせが調整されていますので、そのバランスが崩れるとトラブルにつながります。今回は歯ぎしりからインプラントを守るナイトガードについて解説していきます。

歯ぎしりの原因は？

歯ぎしりは自然な現象です。また、歯ぎしりには主に3つのタイプがあります。食いしばりながら顎を左右に動かすグランディングタイプ、無意識のうちにカチカチ噛むタッピングタイプ、食いしばりのみのクレンチングタイプです。歯ぎしりが弱い場合には影響が少ないと考えられますが、強い場合には、歯に負担を与えることになります。歯ぎしりを起こす要因については、以下のものが考えられます。

ストレス

環境の変化や疲れなど、昼間に感じたストレスを歯ぎしりで発散しているという場合があります。歯ぎしりをすることで不安や憂鬱な気持ちを解消しているということになります。

かみ合わせが悪い

かみ合わせが悪いことによって、強く当たる部分があり、そこに歯ぎしりが発生しやすくなるといわれています。この場合かみ合わせの調整をすることで、改善します。

飲酒

飲酒をすると、眠りが浅くなってしまいます。眠りが浅いと歯ぎしりが起こりやすいといわれています。

習慣によるもの

歯ぎしりの中でも上記のクレンチングタイプでは、スポーツなどで歯ぎしりをすると日常でも睡眠中にその習慣が出てしまうというものです。

歯ぎしりから歯を守るにはナイトガードが必要

上記でご紹介した歯ぎしりの原因に対しては、それぞれに対策があります。例えば、ストレスの軽減や良質な睡眠を確保することなどです。しかし、ストレスが軽減できない環境もありますし、睡眠時間の確保もままならないという方もいるでしょう。そのような場合には、ナイトガードの装着をおすすめします。ナイトガードとは歯ぎしりから歯を守る厚めのマウスピースのことで、上顎だけに装着することが多い歯科用器具です。

ナイトガードのメリット

力を分散する

歯ぎしりの問題点は強く当たってしまう歯（特に奥歯）に大きな負担がかかり、すり減りなどが起こることです。インプラントの場合には上部構造の破損等にもつながります。しかし、ナイトガードを装着することにより、歯列全体に力を分散させることが出来ますので、一部の歯に過度な力がかかることを防止できます。

かみ合わせを調整できる

前項でもご紹介しましたが、かみ合わせも歯ぎしりの原因となっています。ナイトガードは、毎日装着をすることで、このかみあわせを調整していくことも可能です。

ナイトガードのデメリット

費用がかかる

ナイトガードのデメリットとしては、製作するための費用がかかることがあげられます。5000円程度が一般的な金額だと思われます。それに加えて、調整のための診察費用などもかかってきます。そして、器具自体は1年から3年程度の寿命だと考えられており、破損すれば再度製作が必要になります。

違和感がある

前述したように、ナイトガードは厚みのあるマウスピースです。これは、歯ぎしりから歯を守るためで、薄いとその効果が低減してしまいます。ただ、厚みがあるために装着したときに違和感を持つ方もいます。この違和感に対しては、慣れることしか対策はありません。

ナイトガードは天然歯もインプラントも守る

ご紹介してきたように、強い歯ぎしりをする方には、ナイトガードを装着することにより、歯のトラブルを防止できます。天然歯はもちろんですが、インプラントの場合には、強い力が加わり続けると噛み合わせが変化して破損の恐れもあります。歯ぎしりがある場合には歯科クリニックに相談をしましょう。