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近年、無歯顎(歯が全くない状態)のインプラント治療として注目を集め続けているオールオン4。注目される理由には、患者さんの身体の負担軽減、そして費用も抑えることができることにあります。どのようなことなのか、詳しく見ていきましょう。
オールオン4とは、インプラントメーカーであるノーベルバイオケア社が提供する治療システムです。片顎に対して基本的に4本(6本の場合もあり)のインプラント体を埋入することで、特殊な人工歯列を装着する治療です。これを可能にしたのが、長いインプラント体の開発と、傾斜埋入という技術です。長いインプラント体を顎骨に対して斜めに入れることで、骨と接する面積が増えて、安定するわけです。現在では、ほかのインプラントメーカーも、同様のシステムを提供しています。
オールオン4の大きなメリットは体の負担を軽減できることです。以前の無歯顎治療では10本以上のインプラント体を埋入しなければいけませんでした。しかし、オールオン4では4本だけですから、手術を受ける患者さんの負担は大きく軽減されています。
費用を減らせるということも、オールオン4のメリットです。上記のように、10本以上インプラント体を埋入するのと、4本を埋入するのでは、費用にも差が出てきます。インプラント体などの材料費用だけでも、かなりの費用が抑えられることになります。
多くのインプラント体を埋入するには、通常複数回の手術が必要です。しかし、オールオン4の場合には、基本的に1回の手術で済んでしまいます。また、手術と同時に仮歯を装着できることも多くあります。そのため、手術の回数も減らせますし、通院回数も減り、治療期間も短縮できる可能性が高いです。
オールオン4の治療を希望する人は、総入れ歯が合わないなどの悩みを抱えている場合が多いです。総入れ歯は可撤式(取り外しできる)で、土台が口の中の粘膜ですから、噛む力が弱いという欠点があります。一方でオールオン4の場合は、顎骨に埋入したインプラント体にしっかりと支えられています。また、取り外しは歯科クリニックでしかできないように、強固に固定されていますので、しっかりと噛むことができるのです。もちろん、微妙な噛み心地などは、天然歯と違います。しかし、義歯のなかでは、より、天然歯に近い感覚であることは確かでしょう。また、総入れ歯の場合には噛む刺激が弱いため、顎骨が痩せていき、それに伴い歯茎が下がることがあります。しかし、インプラントの場合には、骨に刺激が伝わりますので顎骨の吸収が少なく、歯茎が下がるリスクも低減します。
オールオン4でも、治療の適応にならない症状があります。その一つが骨の量が足りない場合です。密度や高さが足りないと、インプラント体が骨と結合しないからです、また、オールオン4は無歯顎の治療です。健康な歯が残っている場合にはほかの治療をおこないます。しかし、残っている歯の寿命が短いと判断されたときには、抜歯をしてオールオン4をおこなう場合もあります。
前述したように、オールオン4の治療は、通常のインプラント手術とは違う手術方法でおこないます。そのため、歯科医師はオールオン4を実施するための技術を習得する必要があります。
ご紹介してきたように、オールオン4では、従来の無歯顎のインプラント治療よりも、患者さんの身体的負担や費用の負担も軽減させることができます。しかし、症状によっては治療を受けられない場合もありますし、技術を持った歯科クリニックを選ぶ必要があります。まずはクリニックを探して相談をしてみることをおすすめします。
【インプラント治療について】
インプラント治療とは虫歯や歯周病、事故などによって歯を失った場合に行われる治療の一つ。歯を失った箇所に人工歯根(インプラント体)を埋め込み、歯を補う治療法です。一部の症例を除いて、原則保険が適用されない治療方法のため、クリニックによって費用が異なります。詳細は各クリニックへお問い合わせください。
【インプラント治療の機器について】
治療に使用するインプラント機器は、各クリニックによって厚生労働省・未承認の器具を用いることがございます。クリニックによって治療に用いる器具は異なりますので、医師に直接ご確認をお願い致します。
【インプラント治療の費用と期間】
インプラント治療は、一般的に1本25~45万円、期間は6ヶ月~12ヶ月程度と言われています。症状や埋入位置、歯科医院によって費用・期間ともに変動します。
【治療のリスク・副作用】
インプラント周囲炎や、金属部品に対する金属アレルギーが起こる恐れがあり、治療にはリスクが伴います。持病がある場合には、合併症などの可能性が高い場合もあるので、不安な点があれば必ず各クリニックへご相談ください。
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※インプラント治療には上記以外にも精密検査や麻酔費などがかかる場合があります。
※インプラント体や上部構造は、埋め込む位置や口内状態によって、素材や費用が変わる場合があります。
※アバットメントとは、インプラント(根にあたる部分)と義歯(上部構造)をつなぐパーツのことです。
※2019年9月17日時点での調査内容になります。
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