インプラント治療後に「膿」が出たら？

インプラント治療は外科手術を伴いますので、術後にトラブルが発生することもあります。その一つとして、「膿」が出てしまうというトラブルがあります。

これは歯茎などが炎症を起こしている場合が多く、放置しておくと炎症が悪化してインプラントが機能しなくなる可能性もあります。そのようなことを防ぐためには正しい知識を身に着けておく必要があります。

インプラント治療後に膿が出る原因は?

膿とは免疫細胞が細菌や異物を攻撃する際に出る粘液で、黄白色や黄緑色で異臭がすることもあります。膿は最近感染による炎症時に多く見られ、身体を守るための機能ですが、膿の増加は痛みなどの症状を引き起こす可能性もあります。

インプラント治療後に発生する膿の主な原因は手術傷口の感染やインプラント周囲炎が多いです。

手術の傷口に細菌が感染

インプラントを埋入するする手術は基本的に歯肉を切開して、顎の骨を削っていくという方法をとります。この手術の傷口に最近が感染してしまった場合、顎の骨とインプラントの間に炎症が起きて膿が出ることがあります。膿が出ている場合、痛みや腫れを伴うことも多いです。

このように細菌感染してしまうと、インプラントと骨の強固な結合（オッセオインテグレーション）が進まない場合もあり、治療の失敗につながることもあります。

細菌感染を防ぐには、術中、術後の感染管理がしっかりしているクリニックを選ぶこと、また、自身の免疫力を下げないことも重要です。

インプラント周囲炎が発症

「インプラント周囲炎」は、インプラントが歯ぐき周辺の組織に歯周病菌に感染し、炎症が起こる病気です。初期症状は歯ぐきの腫れや赤みなどですが、進行すると出血や膿が見られるようになります。

症状が重くなると、歯槽骨（顎の骨の歯が生えている部分）にまで炎症が広がり、組織を破壊します。骨の破壊によりインプラントが支えられなくなり、抜け落ちることもあります。インプラント周囲炎の原因は口内の衛生状況の悪さ、定期メンテナンスの不足、噛み合わせの問題、免疫力の低下などが考えられます。

インプラント治療後に膿が出たときの対処法は？

上記でご紹介したように、インプラント治療後に膿が出た場合には何らかのトラブルが考えられます。また、早期に対処をしないと、インプラント治療が失敗してしまうことも考えられますので、以下のような対処が必要となります。

歯科クリニックに行く

歯ぐきから膿が出ている場合には、放置していても回復することはまれです。そのため、歯科クリニックを迅速に受診するべきです。

放置をすることにより炎症が悪化し、さまざまなな悪影響が起こることも考えられますし、治療費も高額になることがあります。

早期に治療すれば、消毒などの簡単な処置で改善する場合もあるので、なるべく早くクリニックを受診してください。時間が経過すると重症化し、インプラントが失われる可能性が高まります。

歯科クリニックに相談する

もし、すぐに受診ができない状況の場合には、インプラント手術を受けたクリニックに連絡をして、応急処置の方法を聞いてください。

また、治療をしたクリニックが休診日などの場合には休日や夜間も診療している歯科クリニックで相談をしてみることをおすすめします。

異常があればすぐに受診を

ご紹介してきたように、インプラント手術後の膿の発生はなるべく早く歯科クリニックを受診してください。インプラント治療が失敗してしまう可能性もあります。

また、膿だけではなく、痛みなど違和感があれば早めにクリニックを受診することで、トラブルを軽微に抑えることができるでしょう。