インプラントオーバーデンチャーって？

インプラントは顎に人工歯根を埋入した固定式の人工歯です。そのインプラントを覆い被すような総入れ歯をインプラントオーバーデンチャーといいます。取外し可能な総入れ歯です。汎用性が高く、部分入れ歯にも適用できます。今回は、このインプラントオーバーデンチャーについて解説していきましょう。

インプラントオーバーデンチャーとは

インプラントオーバーデンチャーとはどのようなものなのでしょうか。簡単に説明をすると、片顎に2本から4本のインプラント体を埋入して、それを固定源として総入れ歯を固定するものです。通常の総入れ歯ではお口の中の粘膜に吸着させて固定するために不安定であり、噛む力が弱いのが欠点ですが、インプラントオーバーデンチャーでは、インプラントを固定源にしているため、安定しており、噛む力も強いのが大きな特徴となっています。

インプラントオーバーデンチャーの仕組み

インプラントオーバーデンチャーは「取り外しができる」ということがほかのインプラント治療と大きく違う点です。これは、インプラント体の埋入までは通常のインプラント治療と同様ですが、その後人工歯を固定しないで、「アタッチメント」という留め具で安定させるからです。アタッチメントの方式としては、ボタンのような構造をした「ロケーターアタッチメント」、ボール状のアタッチメントを受け皿に固定する「ボールアタッチメント」、バーの部分に入れ歯の内面に装着されたクリップで固定する「バーアタッチメント」などがあります。いずれも自分で取り外しが可能です。

インプラントオーバーデンチャーのメリット・デメリット

インプラントオーバーデンチャーは総入れ歯で「よく噛めない」などの悩みがある方が検討することが多い治療方法です。取り外しができて、しっかり噛めるというのは、まさにインプラントと総入れ歯の良い特徴を取り入れた治療方法といえます。インプラントオーバーデンチャーには多くのメリットがありますが、ほかの治療と同じようにデメリットもあります。メリットとデメリットの両方を知ることで他の治療との比較もできますので、ぜひ、参考にしてください。

メリット

まず、大きなメリットとしては、通常の入れ歯では固定が弱く、食事や会話中にズレたり外れたりすることがありますが、インプラントオーバーデンチャーではインプラントを使用して入れ歯をしっかりと安定させるため、硬い食べ物でもしっかりと噛むことができるということがあげられます。また、人工歯の部分が取り外せることで、自分でメンテナンスができるため清潔を保て、インプラントの歯周病である「インプラント周囲炎」のリスクも軽減できることもメリットです。そして、コスト的にもメリットがあります。インプラントの埋入本数が2本から4本であるために、治療費用が節約できることになるのです。また、現在総入れ歯を使用している方は、その入れ歯をそのまま使える可能性もありますので、新たに人工歯を制作する費用も節約できます。

デメリット

次にデメリットです。まず、これはインプラント治療全体に言えることですが、インプラントオーバーデンチャーでも、必ず外科手術が必要となります。埋入するインプラントの本数は少ないですが、やはり身体への負担はあります。また、こちらもインプラント治療全体に言えることですが、治療期間が長いということです。これは顎の骨に埋入したインプラント体が骨と強く固定するまでに3ヶ月から6ヶ月程度かかるためです。そして、経済的な面でもデメリットはあります。総入れ歯などの治療は健康保険の適用を受けられますが、インプラントオーバーデンチャーの場合には自費診療となります。そのため、治療費用は高額になります。

メリットとデメリットを考慮して治療選択を

今回はインプラントオーバーデンチャーについて、その仕組やメリットやデメリットなどをご紹介しました。歯を失ってしまった場合には復数の治療方法があり、インプラントオーバーデンチャーもそのうちの一つです。メリットとデメリットをよく考慮して、治療選択の参考にしてください。

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